そろそろ倉庫の屋根改修・修理をと考えている方は、最適な改修の方法について知りたいと思っているのではないでしょうか。
屋根の種類によって最適な工事方法が異なるため、どのように修理するかも把握しておきたいですよね。
この記事では、倉庫の屋根を改修・修理するための3つの工事方法について詳しく解説しています。
雨漏りが発生した際の修理方法についても触れているので、ぜひ参考にしてください。
倉庫の屋根には主に3つの種類があります。
● 波形スレート
● 折板屋根
● 瓦棒葺き屋根
まずは、倉庫に使われている屋根の種類を確認してみましょう。
●波形スレート
波形スレートは、セメントと繊維を混ぜて波形に成形された板のことを指します。
屋根材の中では比較的安価で、耐久性、耐火性、遮音性に優れています。また、施工が複雑でないため、工事費用を抑えることが可能です。
ただし、2004年以前に製造された波形スレートにはアスベストが含まれている可能性があります。
アスベストは発がん性物質を含むため、工事の際には高額な撤去費用が必要になることがあります。
●折板屋根
折板屋根は、ガルバリウム鋼板などの金属素材を大きな波型に成形し、屋根材として使用するものです。
軽量で強度が高いため、多くの工場や倉庫の屋根に利用されています。
ただし、金属製のため錆びやすく、定期的なメンテナンスが必要です。また、断熱性が低いため、室温の上昇が懸念されます。
夏の暑さ対策が必要な場合は、遮熱材や断熱材の施工を検討することをお勧めします。
●瓦棒葺き屋根
瓦棒葺き屋根は、一定間隔で並べた芯木の上にガルバリウム鋼板などの金属屋根材をかぶせて固定するものです。
軽量で継ぎ目が少ないため、雨漏りのリスクを軽減でき、傾斜の緩い屋根に採用しやすい特徴があります。
ただし、経年劣化により芯木が腐食すると金属屋根材を固定する強度が弱まり、破損や飛散の可能性があります。
経年劣化を防ぐためには、定期的なメンテナンスが必要です。
近年では、芯木なしタイプの立平葺きが主流となっています。
倉庫の屋根を修理するための3つの方法
倉庫の屋根を改修、修理する際は、主に以下の方法で工事が行われます。
● 塗装工事
● カバー工法
● 葺き替え
修理を依頼する場合、屋根の種類や工事方法によって費用は大きく異なります。
● 塗装工事
塗装工事とは、屋根の汚れを取り除き、その上に塗料を塗る手法のことを指します。工期が比較的短く、費用も抑えられるという利点があります。
しかし、屋根材表面の撥水性能の機能回復が目的にすぎず、塗り替えの周期によってはランニングコストが膨らむ傾向があります。
● カバー工法
カバー工法とは、既存の屋根の上に新たな屋根を重ねる方法のことです。屋根の処分が不要なため撤去費用がおさえられるほか、屋根を二重にすることから断熱性や防水性を高められるメリットがあります。
また、屋根材にアスベストが含まれている場合でも工事が可能です。屋根の撤去費用や廃棄物処理代などが不要となるため、屋根の下地が劣化していない場合は、カバー工法での施工を検討するとよいでしょう。
ただし通常よりも屋根が重くなるため、事前調査の結果によっては工事が行えない場合があります。
● 葺き替え
葺き替え工事とは、既存の屋根を撤去して、新たな屋根を取り付ける方法のことです。屋根を新設することで、外観がよくなるほか、耐震性の向上などが見込めます。
築30年以上の屋根は下地が劣化している場合もあるため、現地調査の結果次第では葺き替え工事が最適な工事方法となるでしょう。
ただし既存の屋根を撤去する必要があるため、工事費用が高くなります。
また屋根材にアスベストが含まれている場合は、飛散対策等の措置を講じることが必要となり、通常よりも高額な費用(粉じんの飛散防止対策費用や廃棄物処理代を含む)がかかります。
倉庫が雨漏りした際の修理方法
雨漏りの原因は、ボルト部分のさびや、屋根材の劣化によるものとされています。
具体的な修理方法としては、ボルトキャップの取り付けや屋根の部分張り替え、カバー工法での改修などが挙げられます。
雨漏りが発生してしまうと倉庫の商品や備品に被害が生じる恐れもあるため、定期的にメンテナンスを行うようにしましょう。
修理費用は修繕費として計上できる可能性が高い
屋根の機能を維持したり、元の状態に戻すための修理であれば、修繕費として計上できる可能性が高いです。修繕費とは、固定資産の修理や改良にかかる費用を指します。
しかし、屋根の増築や機能の追加を行った場合は「資本的支出」と見なされ、修繕費としての経費計上はできません。
その際は減価償却を通じて、支出した費用を数年にわたって処理する必要があります。
倉庫の屋根修理に関する一般的な質問
倉庫の屋根はDIYで修理できますか?
プロでも命を落とす危険があるため、おすすめできません。
労働安全衛生法では高さ2m以上の場所での作業を「高所作業」としており、墜落事故を防止する観点から、安全帯や命綱の着用、作業床などの設置を義務づけています。
倉庫の屋根修理に火災保険は利用できますか?
自然災害が原因の場合は、利用できる可能性が高いといえます。ただし経年劣化が原因とみられる場合は、保険の適用外となります。
火災保険を利用した保険金詐欺を勧めてくる業者もいるため、修理を依頼する業者は慎重に選びましょう。
倉庫の屋根修理でカバー工法が選ばれる理由はなんですか?
コストパフォーマンスの観点から選ばれています。カバー工法は既存屋根の撤去が不要なため、費用をおさえて短期間での修理が可能です。
また屋根を二重にすることから、断熱性や防水性を高められるメリットもあります。
まとめ
倉庫の屋根を修理する際には、屋根の種類に応じた最適な工事方法を選ぶことが重要です。そのためには、倉庫の建築時期や下地の劣化状況、雨漏りの原因などを事前に調査する必要があります。
屋根修理を依頼することを考えている場合は、複数の業者に見積もりを依頼し、これまでの経験や実績を確認することをお勧めします。
現地調査や見積もり依頼をまずはお気軽にお問い合わせください。